Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
みんなふるえあがってるぜ、もうよそうじゃねえか」
「もっこ部屋の者だって」こぶはそう云いながらちょっと考えてみて、それからぐいと顎を引いた、「――それがなんで、こんなところへでしゃばって来たんだ」
「おれにも覚えがあるからさ」
こぶはまた眼をそばめた、「そうか、おめえか、あの才次をのしたってのは」
「よしゃあよかった、あんなことをしてもなんのたしにもなりゃあしねえ、あとで自分がいやになるばかりだ」
「だめだ、あっちへいけ、おらあ島ぬけをするんだ」
「島ぬけは死罪だろう、それに」と云って栄二は微笑した、「このまっぴるま、どうやって島ぬけができる」
「邪魔をするやつあ叩っ殺すまでだ」
「ここの人間を全部か」栄二は片手でぐるっと円を描いてみせた、「――そいつあてんから無理なこった、まあちょっとおちついて話そうじゃねえか、いったいどういうわけでこんなことになったんだ」
「おとよをぬすまれたんだ」こぶは掛矢をどしんと地面へ突きおろした、「松造のちくしょうが出てゆくときも、おとよは出さねえでくれって、おらあ差配役に頼んでおいた、何度も何度も、頭あさげて頼んでおいたんだ、それだのに松造のちくしょうはおとよをぬすんで出ちまやがった、差配役も誰も、出てゆくおとよを止めようとはしなかったんだ」