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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

まったく異例なことではあるが、これも栄二の頑固な言い分がとおったのであった。

こうして十余日、二人は押籠めの日を送ってきたのだが、いっしょに寝起きをしてみると、清七は手に負えない乱暴者どころか、極めて温和しい小心者であり、愚かしいほど善良だということがわかった。彼は十五の年に故郷を出奔し、土方や人足をしながら、二十二歳で江戸へ出た。ここでも土方か人足をするほかに知恵も能力もなく、いつも人からばかにされ、こき使われ、ひと仕事終ると放りだされた。そうしていまから四年まえ、三人を相手に喧嘩をし、三人にけがをさせたため、大勢の人足たちに袋叩きにされたうえ、役人の手へ渡された。彼には請人もなく、故郷のことは云えないので、無宿人の扱いを受け、五年という期限付きで寄場へ収容された。ここへ来て初めて、人間らしいくらしができるようになった、と清七はいった。油絞りは苦しい重労働であるが、百姓生れの辛抱づよさと、ずばぬけた躰力とで、彼は誰にも負けない存在となった。いまでは彼をばかにする者は一人もないし、むしろ恐れられているくらいだ。おらは一生ここでくらしたい、とさえ清七は云うのであった。