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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は浅草へいって、和助から仔細を聞いたこと、それから酔って本町へゆき、綿文の店で酔い潰れたこと、次にまた訪ねたところ、綿文では「い組」の頭と若者二人を呼んで来て、彼を戸外へひきずり出し、雪の中でさんざんに叩きのめしたうえ、番小屋へ突き出したが、彼はそこでもまたい合わせた目明しに、半殺しのようなめにあわされたこと、などを語った。

「お願いよ栄さん、よして」おすえは蒼くなり、ふるえながら制止した、「そんなひどいこと、あたし聞くのいや、もうよしてちょうだい」

栄二は上わ眼づかいに天床を睨み、下唇を歯できつく噛んだ。膝の上にある彼の手は拳になり、力をこめているので、指の節のところだけ血の色がひいて、白っぽくみえた。

「なぜおれにぬすっとの罪をきせたか、誰が企んだか、一つだけ見当のつくことがある」と栄二は続けた、「証拠のあることじゃあねえが、おれは綿文で奥の人たちと親しかった、娘の二人とは幼な友達のような仲だったし、その娘の一人とおれがいつか夫婦になる、という噂さえあったそうだ、冗談じゃあねえ、おれにはそんな気はこれっぽっちもなかった、だい一おれにはもうほかに、――女房にするならこれと、はっきり心できめた者がいたんだ」