Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
それから寄場のなかまも、自分が石の下敷きになって以来、みんなが自分のために心配し、慰め劬ろうとして集まった。清七は撞木杖を作ってくれたし、与平は実の親よりも大事にしてくれる。しかも、誰一人として欲得ずくではない、礼を云ってもらおうとする者さえないのだ。――これはたいへんなことだ、と栄二は思った。石の下から救い出されたときも、そのあとでも、思いだすたびに深いおどろきを感じたものであるが、いまみた夢はその事実を改めてはっきりと、些かの紛れもなく彼の心に刻みつけた。
「いや、待ってくれさぶ」と彼は口の中で囁いた、「おれはまだ出ることはできない、ここのなかまにしてもらったことは大きい、ここのなかまになにかを返さずには、決してここを出るわけにはいかない」
彼は芳古堂の親方や、浅草の和助のことも考えてみた。そして、おととしの十二月の出来事そのものは赦せないにしても、そのために知った新しい世間や、多くの人たちとの経験が、どんなに貴重で有難いものだったか、ということをつくづくと感じた。
「綿文の旦那も、あの町内の頭も、そしてあの目明しの二人も赦せない」と栄二は囁いた、「あいつらにはきっと思い知らせてやる、生涯、忘れることのできないような手段でな、まあ待っていろ」