Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
しかしその翌日になると、義一はまた茣蓙に向って花札をもてあそんでいた。寄場では持物を厳重に検査され、刃物とか花札、賽ころなどはもちろん取りあげられてしまう。にもかかわらず、義一はまたあっさりと花札を手にしていた。どこかに隠してあったのか、それとも寄場の中で手に入れたのか、誰にも見当はつかなかった。
「おめえは喧嘩でここへ来たと云ったな」と或る日栄二は万吉に云った、「このあいだもあぶなく立ちそうにしたが、決して相手になるなよ」
「だがあにい、おらあがまんが続きそうもねえと思う」
栄二は首を振った、「だめだ、あのりゅうというやつは匕首を持ってる」
「まさか」万吉は眼をみはった、「匕首だなんてそんな」
「持ってるんだ、みんなには隠してるが、おれ一人になるとふところから出して、刃にぬぐいをかけたりしている、むろんおれへの威しだろうが、あのとしごろがいちばんあぶないんだ、人をあやめれば名に箔が付くと思ってる、きっかけさえあればあれを使うだろう、わかったか」と栄二は念を押した、「――どんなことがあっても、決して相手になるんじゃあねえぞ」
「いまになにか起こるな」と万吉は不安そうに云った、「なにか起こらずにはいねえような気がするよ」