Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
十四の五
物音なども立てないし、叫ぶとかどなるなどということもない。だが、とげのある低い声で、お互いに罵りあっているのを聞くと、力ずくの喧嘩よりも凄いようなものが感じられた。
「ああいう夫婦もあるんだぜ」と栄二がさぶに云った、「どんな気持だと思う」
十四の五
四月の二十一日に、栄二とおすえは祝言をした。寄場の休みの日を選んだので、石川島からは小頭の伝七と、与平、万吉、赤鬼の松田権蔵ら四人が来た。かれらは炭取とか十能、めおと箸、箱膳、一反の晒木綿などに、洗いあげた浴衣が三枚、という祝い物を並べた。
「この古浴衣はおれの心ざしだ」と松田が怒ったように云った、「こんな物くその役にも立たねえと思うだろうが、もしそんなふうに思うなら、すっとこどっこいのぼけなす野郎のおけら頭だ」
相変らずだな、と思いながら栄二は微笑したが、おすえは怯えたような眼をしていた。松田はそのおすえに向って、ちょっとここへおいでと手招きをした。
「おめえさんは知るめえがな」と松田は坐り直して、しかつめらしく云った、「生れたての赤ん坊の肌着やおしめには、新しい切地を使うもんじゃねえ、幾十たびとなく洗いぬいて、やわらかくなった木綿を使うんだ、赤ん坊の肌なんてものはおまえさん、まるっきり搗きたての餅も同様だからな、ちょっと手荒に扱ってもすぐにひっちゃぶけちゃうもんなんだ