Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
「あーあ」とおそのは笑いやんで云った、「笑っちゃうわね」
おすえが茶と菓子を持って来、すぐあとから栄二が戻って来た。おすえは茶を淹れ、菓子鉢の蓋を取ると、誰の顔も見ないようにして、いそぎ足に出ていった。
「あの人いまお嫁の話があるのよ」と云いながらおそのは菓子を一つ取り、さぶに向って片手を振った、「あたしにもお茶をちょうだい、いいわよ、その茶碗で」
さぶはいまおすえの淹れていった茶の一つを、盆にのせてすすめ、栄二はさりげない表情で、あの人って誰です、と問い返した。
「おすえよ、きまってるじゃないの」おそのは菓子を喰べ、茶を啜った、「あの人あたしとおないどしの十九でしょ、もうとっくにお嫁にいってもいいとしなのに、なかなかうんと云わないんですって、もし売れ残ったらどうするのかしら」
「自分はどうなんです、おないどしならおそのさんだってもう」
「だめ、だめなのよあたしたち」おそのは栄二の言葉を遮って云った、「あたしも姉さんも縁遠い生れつきなんですって、姉さんなんか二十一にもなるのに、これっていう縁談がまだ一つもないの、お菓子つまみなさいよ」
さぶが慌てて菓子を取り、栄二は茶を啜った。