Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
和助は栄二の眼をみつめた。栄二はさらに問い返そうとしたが、和助はそれを遮って、それなら云ってしまおう、と云った。
「おめえは本町のお店の間取をよく知ってるな」
「よく知ってるかどうかわからねえが」栄二は考えてみた、「おきみさんやおそのさんと遊んでいたから、迷うようなことはねえと思います」
「旦那の居間を知ってるか」
「客間からひと間おいた隣りでしょう」
「そこに物入れの小箪笥がある」と和助は云った、「その抽出の一つに古金襴の切がはいってた、客があったので見せるために、旦那がそいつを出してみると、古代箔白地金襴の切が一枚なくなっていたんだ」
和助はそこで栄二の顔を見まもった。しかし栄二の表情には些かの変化もなく、ただその眼に疑わしげな色がみえるだけであった。
「たいそう高価な品なので捜しにかかった」と和助は続けた、「――旦那とおかみさんと二人きりで、ほかの者には知れないように捜した、そうして、まあつづめて云えば、客間にあったおめえとさぶの道具袋を、念のためにしらべてみたところ、それがおめえの袋の中から出てきたんだ」
栄二は笑った、「冗談じゃあねえ、からかっちゃあいけねえよ、あにい」