Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
前に云った稲※からの道で馬の事を訊ねたほど、その頃私の身体は弱っていた。
が、行ってみると案外であった。その年は丁度欧洲戦のあとの経済界がひどく萎縮していた時だとかで、繭や生糸の値ががた落ちになっていたため、それらで一年中の金をとるお百姓たちのひどく弱っている場合であったのだそうだ。白骨の湯に行けば繭の相場が解ると云われているほど、その影響は早速その山の上の湯にひびいて、私の行った時は例年の三分の一もそれらの浴客が来ていなかった。一番多かった十月初旬の頃で四五百人どまりであった。ために私は悠々と滞在中一室を占領する事も出来たのであった。
彼等の多くは最も休息を要する爺さん婆さんたちであるが、若者も相当に来ていた。そしてそうした人里離れた場所であるだけその若者たちの被解放感は他の温泉場に於けるより一層甚だしく、入湯にというより唯だ騒ぎに来たという方が適当なほどよく騒いだ。騒ぐと云っても料理屋があるではなく(二軒の蕎麦屋がさし当りその代理を勤めるものであるが)宿屋の酒だとて里で飲むよりずっと割が高くなっているのでさまでは飲まず、ただもう終日湯槽から湯槽を裸体のまま廻り歩いて、出来るだけの声を出して唄を唄うのである。