Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
通蔓草の実
それに一時はアルプスの登山客で大変だそうだ。私の考えているのは、それらの何にもが影を消すであろう十月の半ばから雪のちらちらやって来る十一月の半ば頃まで、ぽっちりとその世ばなれのした湯の中へ浸っていたいということだ。無論、ウイスキーに何か二三種のよき鑵詰などどっさり用意してだ。其処から四里にして上高地、六里にして飛騨の平湯がある。共に焼岳をめぐった、雪の中の温泉である。
通蔓草の実
宿を出て二三丁とろとろと降ると宿の横を落ちて来た小さな渓が洞穴を穿って流れている処がある。其処まで見送るつもりで、私は友人親子と今一人の女客と共に宿を出た。が、何となく別れかねてせめて峠まで行こうかと云いながら、洞穴の上を越して森の中へ入って行った。檜峠は温泉より二里ばかり、その渓を越すと径はずっと深い森の中を片登りに登ってゆくのである。
一月あまりも降り続けた雨が漸くその一二日前から霽っていた。そしてそれと共に今まで遅れていたという附近の山々の紅葉が一時に色を増した。それは全く湯宿の二階から眺めていて可笑しい位いに一晩二晩のうちに真紅に燃えたって来た。私どもの登ってゆく大きな国有林も同じく二階から望んで呆れた山の一つであるのだ。