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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

そして川上の開けた空には真正面に穂高ヶ岳が聳えているのであった。

天を限って聳え立ったこの高いゆたかな岩山には恰もまともに夕日がさして灰白色の山全体がさながら氷の山の様な静けさを含んで見えているのであった。今日半日仰いで来たこの山は近づけば近づくだけ、いよいよ大きく、いよいよ寂しくのみ眺められ、立ちどまって凝乎と仰いでいるといつか自分自身も凍ってゆく様な心地になって来るのであった。

そぞろに身慄いを覚えて踵をかえすと、其処には焼岳が聳えていた。背後に傾いた夕日に照らし出されて真黒に浮き出た山の頂上にはそれこそ雲の様に噴煙が乱れて昇っていた。

右を見、左を見、この川端の一本道を行きつ帰りつしているうちに私はいつか異様な興奮を覚えていた。これほど大きく美しく、そして静かな寂しい眺めにまたと再び出会うことがあるであろうか、これはいっそ飛騨に越す予定を捨ててここに四五日を過ごして行こう、そのためどれだけ自分の霊魂が浄められることであろう、という様なことを一途になって考え始めていたのであった。

いはけなく涙ぞくだるあめつちの斯るながめにめぐりあひつつ

またや来むけふこの儘にゐてやゆかむわれの命の頼みがたきに