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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

雑誌の口絵などから記憶のある富士裾野佐野の滝というのの滝の形が思い出されて来た。余りのあてなさに困っていたこととて、一も二もなく私は其処を左に曲ってとろとろと降りて行った。埃を浴びた畑の中の石ころ路である。

古びて骨の出た樅か栂らしい枝つきのままの大きな木の門を入ってもまた畑が続く。滝のひびきはかなりの重みを含んで近くに響く。木立があって、その蔭に俥が四五台休んでいた。木立の中を下ろうとすると前面に滝が見えた。一つ、二つ、三つ、見廻せばなお一つ二つのそれが岩と樹木との間に僅かの距離をおいて白々と相並んで落ちているのである。滝の前に架けられた危い橋には水煙がまっていた。その向うの高みに洋館まがいの宿屋が建っているのである。

通された部屋からは六つあるうちの四つの滝がよく見えた。庭木立を距ててであるが、その木立には水煙が薄い輪をひろげて後から後から降りかかっているのである。滝壺にはいちめんにちゃぱちゃぱと波が押し合っている。滝の高さはすべて四丈ばかり、彎曲した断崖の五六ヶ所から三間四間、乃至は十間十五間の間に分れてとりどりに落ちているのだ。うち一つ二つのの水量は意外に豊かなものであった。