Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
その岩塊には松や雑木が茂り、中に何やらお堂が祭ってある。其処が即ち景が島であるのであった。二手に分れて流るるとは云え、その一方は今は悉く水が涸れて、狭深い岩の間に小石原のみが見られた。一方の流れは同じく深く岩を刳って、小さいが青く湛えた淵と、飛沫をあげて流れくだる短い瀬とが岩の蔭に連続していた。
景が島の景色のいい話を女中から聞きながら私は何故だか広やかな浅瀬の中に大きい円い石が無数に散らばって、水がそれらの間をしゃあしゃあざあざあと流れ騒いでいる――そんな処を想像していた。つまり部屋から見えているすべての滝を合せた上流のそうした処であったのだが、来て見ると僅かに滝の一つに相当する位いの水の流るる一支流の斯うした景色であった。
が、これもまた好かった。木立の深いが先ずよく、筋ばった岩もよく、岩を穿って流るる渓はことに私の心を惹いた。私は嶮しい岩を流まで下りて行った。
下りた所は小気味の悪い淵と淵とをつなぐ小さな激しい瀬であった。滑らかなうねりを作り、真白な泡と玉とを打ちあげて流れていた。暫く蹲踞んでそれを見ていたが、やがて私は着物をぬいで肌襦袢一つになり、その瀬の中に入って行った。