Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
宿を出て御殿場道に出ると忽ちこの野中の滝も西洋建の宿屋も青い田圃に隠れてしまった。停車場に入ると運よく汽車が来た。案の如くこんでいた。一番最後の列車の、展望車の様にうしろのあいている昇降台に立っていると、側にいた東京者らしい少年が、
「やア、活動写真活動写真!」
と叫ぶ。
見れば汽車の停ったあとの線路の中を一人の女が裾もあらわに馳けて来るのであった。乱暴なことをするものだと呆れて見ておると、それでも車掌が二三十秒も笛を吹くのを待ったためか、とうとう汽車に乗ってしまった。そして私のまん前に来て立った。切符をば無論車掌から買ったのである。
十七八歳の、肉づきのいい、女学生風の女であった。横顔が汽車の壁に凭って立っている私の正面一二尺の所に見ゆる。ゆたかな耳朶は濃い紅いに染り、水際だった襟からは見る見る汗が玉となって滴った。そして大きく吐く息づかいがこちらの身にも伝わる様であった。
眼をそらすと富士は昨日の朝の様に同じく深い紫紺の色に冴えて汽車のうしろに聳えて見えた。汽車はおおらかな野原の傾斜を素直ぐに走せ下ってゆく。
秋近し
畑なかの小みちを行くとゆくりなく見つつかなしき天の河かも