Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
いつまで立っているわけにもゆかなかった。帽子をとって四辺の木や草に深く頭を下げて、私たちは磯の方に降りて行った。崖下の浪打際をややしばし浪に濡れて歩いて行って、やがて少し打ち開けた平地の所に出た。其処等にもくさぐさの伝説のあとがあった。平地の南の端、三四十の家の集っている玉積の浦(この名もなつかしい)には寄らずに田園を西に横切って行くと一列の並木の松が見えた。其処に著くと松並木の蔭におおらかに湾曲した大きな浜があって、同じく弓なりに寄せている小波が遥かに白く続いていた。例の忘れ貝は多くただ其処からのみ出るという琴弾の浜(この名も同じ上皇に因縁した伝説から出たものであった)が其処であった。そして其処に粗末な漁師の小屋が五六軒松の根に建ててあった。私たちは其処でこれから鯛を網しようというのであった。
はつ夏
うす日さす梅雨の晴間に鳴く虫の澄みぬる声は庭に起れり
雨雲のけふの低きに庭さきの草むら青み夏虫ぞ鳴く
真白くぞ夏萩咲きぬさみだれのいまだ降るべき庭のしめりに
コスモスの茂りなびかひ伸ぶ見れば花は咲かずもよしとしおもふ
いま咲くは色香深かる草花のいのちみじかき夏草の花