Japanische Klassiker mit Furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
面白いのは犬であった。草鞋を穿いているツイ側に三疋の仔犬を連れた大きな犬が遊んでいた。そしてその仔犬たちは私の手許にとんで来てじゃれついた。頭を撫でてやっていると親犬までやって来て私の額や頬に身体をすりつける。やがて立ち上って門さきを出離れ、何の気なくうしろを振返ると、その大きな犬が私のうしろについて歩いている。仔犬も門の処まで出ては来たがそれからはよう来ぬらしく、尾を振りながらぴったり三疋引き添うてこちらを見て立っている。
「犬は犬好きの人を知ってるというが、ほんとうですね」
と、幾度追っても私の側を離れない犬を見ながらK―君が云った。
「とんだ見送がついた、この方がよっぽど正直かも知れない」
私も笑いながら犬を撫でて、
「少し旅を貪り過ぎた形があるネ、無理をして此処まで来ないで沢渡にあのまま泊っておけば昨夜の不愉快は知らずに過ごせたものを……」
「それにしても昨夜はひどかったですネ、あんな目に私初めて会いました」
「そうかネ、僕なんか玄関払を喰った事もあるにはあるが……、然しあれは丁度いま此の土地の気風を表わしているのかも知れない、ソレ上州には伊香保があり草津があるでしょう、それに近頃よく四万四万という様になったものだから四万先生すっかり草津伊香保と肩を並べ得たつもりになって鼻息が荒い傾向があるのだろうと思う