Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ドナウげんりゅうこう

ドナウ源流行

斎藤 茂吉

Lesen Sie ドナウ源流行 (ドナウげんりゅうこう) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.565 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は月光を遮えられた流の岸をこんな工合で暫く歩いた。

林が尽きて月が見えたかとおもうと、また急に流の面が光り出した。向うが開けて、平野のようになっている。月光の涯は煙っているようでもある。僕は一寸立止ったが、「ドナウもこれぐらい細くなればもう沢山だ」と思った。そして其処の汀の草のうえに尻をついていると、幽かに水の香がしている。佐賀県の山中にいた時に嗅いだあの水の香と同じだと僕はおもった。たまに水が音を立てたりした。これは岸のところに出来る渦の音であった。

もう余程遅いかも知れんと思って、やおら立ちかけて、平野の向うを見ていると、また僧霊仙のことが意識をかすめた。業房に入ってやっている為事がなかなか片付かずに難儀した時、僕はたまたま「霊仙大徳の死」を思って自ら慰めたのであった。霊仙は、興福寺の僧で、延暦二十二三年ごろ最澄、空海と共に入唐した。或はもっと早く宝亀年中だという考証もある。そして長く向うに居た。長安醴泉寺僧内供奉翻経大徳として崇められたが、後、五台山に入って修道中、人のために殺されたというのであった。慈覚大師の『入唐求法順礼記』に「到二大暦霊境寺一。