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Japanische Klassiker mit Furigana

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フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

諦めはてた老いの心の姿をまさしく私は見た。

老婆の青い瞳は深かった。

どうせ彼女らは無智な農民には違いなかった。恐らく本国の土地もかつて踏んだこともあるまい。沿海州から北樺太へ、北樺太から国境を越えて、どうにかバルチザンの残虐から逃れおおせたものでもあろうか。二十何年か前の祖国と日本との戦争なども無論知っていそうにもなければ、ロマノフ家の稜威を一朝にして衰えさした、かの大敗北の噂話でもあるいは聞いたこともなかったであろう。だからこそ遼陽占領日軍奮闘の石版画の額などを掲げて安心しているのであろう。流れ流れて日本の領土にまで移り住んで、そしてまだまだ住みついたというでもなく、言葉も通じなければ、かろうじてしか日常の糊口すら凌げないという一家である。日本の国と人とに今はひたすら取り縋ってはいるものの、由来小悪で狡くて、勝っては傲り、弱みにつけこみやすいのが日本人のある階級の特性である。善良で無智と見ると何処までも層にかかる。だから果して末々までも頼られるかである。

老婆は諦めはてた心の幽かな姿で、幽かに白い※(「目+匡」、第3水準1-88-81)毛を合せている。