Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
長身の、まだ若いが、職掌柄だけに凛として気の利いた顔貌と風采の持主だ。左舷寄りの上席には門司鉄道局の船舶課の、かなりの上役らしい人が据わる。この仁は鼻も高いが、いくらか権高のすっかり官僚風にできている。これらの三つの座席は必ず極っている。船客の座席はどれと定ってはいない。自由ではあるが、中央部には、下の関や神戸から乗ったO・M・A・K・D、それにH夫妻その他が既に早やお極まりのように両側に居流れている。O氏は日露戦役の志士沖禎介氏のお父さんで、肥前は有田の弁護士である。もう六十を越えて、それで前額は禿げているが、矍鑠としたシャンとした老人である。郷里ではその子の禎介氏の記念図書館の館長をしていられ、老後を全く壮烈な忠死を遂げた、その子の名誉を己れの円光として生きている人である。親としてはこれほどの光栄もなかろうが、その子としてはこれほどの孝行もなかろう。この人が団長に挙げられたのも忠孝並びいたる禎介氏の功績が与って力がある。少々は酒がいける。Mさんは神戸の縉商である。いうところによると、美術院の大観観山等の極めて親しいパトロンだそうである。飄逸な反り型の赤ら顔だが、どこかに俗っぽい。