Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

「僕は歩きつづけていたです」

海老塚は肩を張って、吐きすてるように言った。

「ふん。僕は歩きつづけていた。然し、まっすぐ帰宅の道ではないだけのことだ。バカ者ども、ハレンチ漢どもの濁り汚れた空気を払い、僕自身をとりもどすために、やむを得ず不馴れな諸方の裏山道をさまよっていただけのことだ。だから手に怪我もした。フン。ここは犬の宿じゃないですか。フン、バカバカしい」

「だれかに会うとか、人を訪ねて話しを交すとか、そんなことは、なさらなかったのですか」

「フン、この村に僕の訪問に値する何者がいるか、バカバカしい」

「千草さんは昨夜九時半にはもう殺されていたからさ」

と木ベエがひやかした。海老塚は怒りにふるえ、拳を握りしめ、顔一パイの目の玉でギラギラと木ベエを睨んで、息をのんだ。

カングリ警部はそのとき目をあやかさんに向けて、

「奥様、昨夜は御災難でしたな。お怪我はよろしいのですか」

あやかさんはニッコリと、

「ありがとうございます。左脚の膝がちょッと痛むだけ。あとはカスリ傷ですの」

「奥様が寝室へ逃げこむ、土居さんが追っかける、扉をたたく、蹴る、土居さんは十二時ごろまで、それをつづけていたのですね」