Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

八 アリバイはただ一人

「ジゴマ」フリイマン、なんでもある。

「それでしたら、このたびの事件についても、御感想があることでしょう」

老人はしばらく口をつぐんでいたが、

「望月さんの犯人と珠緒の犯人は同じ人間かね? 同じ人間なら……」

又、口をつぐんだが、

「然しなんだね。矢代さん。あなたは、どう思うね。人間はどいつもこいつも、人殺しぐらいはできるのだ。どの人間も、あらゆる犯罪の可能性をもっている。どいつも、こいつも、やりかねない」

多門の目が急にギラギラ光った。そして、その光を隠そうともせず、私たちをジッと見つめた。そして、また何か言いそうに、口がふるえたが、やがて思いかえして、喋るのをやめてしまった。

八 アリバイはただ一人

多門の部屋を辞して洋館へもどるために珠緒さんの殺された部屋の廊下を通りかかると、その部屋から洋装のスラリとした三十女がよびとめて、

「モシモシ、ちょっと。あなた方、お名前は?」

「なぜ? あなたは何者ですか」

「私は警察の者です。皆さんのお顔を覚えておきたいから、お名前をきいているのです」

「ああ、なるほど」

私は思わずふきだした。

「すると、あなたは、アタピン先生!」