Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

それ以来、コーヒー茶碗の数がひとつ足りなくなって、ピカ一には、必ず、かけた茶碗をまわす習慣になっていた。今夜は加代子さんが現れたから、加代子さんにもフチのかけた茶碗がまわったのである。加代子さんは女中の子供であるから、客人にくらべて、待遇が悪いのは仕方がない。八重は習慣の通り、いつものピカ一用の茶碗をピカ一にくばったから、加代子さんはピカ一よりもフチのかけ目の大きな茶碗がまわったのである。

「じゃア、加代子さんには、こっちの方を差上げましょう。こっちはいくらかカケ目が少いやね」

と、ピカ一は加代子さんとコーヒーをとりかえた。

加代子さんはコーヒーをかきまぜて、一口二口のんだが、なんとなく異様な顔付で、いぶかしそうに、ソッと茶碗を置きながら眺めているうちに、茶碗を落して、にわかに、立ち上ると、大きく目を見ひらき、胸をかきむしって、のめるように卓の上に四つ這いになり、倒れてしまった。ピカ一が呆気にとられて、抱き起そうとした時には、ピカ一の腕の中からズルズルと床の上へ沈み落ちるばかりであった。

ピカ一は加代子さんを抱き、ゆすり乍ら阿修羅のような顔をあげて、