Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

巨勢博士はうなずいた。

「それが重大なんですよ。つまり、あなたのメモにも記載のないほど、ハッキリした理由のない、つまらない言いがかりから喧嘩が始ってしまったのです。事の起りは、海老塚先生がバカヤローと叫んで立ち去る、すると土居画伯がゲタゲタ笑いだして、まるでこのウチは色キチガイの巣、淫売宿だ、と仰言った。それをきくと、あやか夫人がフンゼンとして、ゴロツキ、あなたこそ東京へお帰り、こう叫ばれたのです。これが格闘の始まりでした。それから……」

博士は再び神山にうながした。神山はうなずいて、

「まったく、そうでしたな。土居画伯の虫の居どころのせいですか、土居先生、いささか酒乱の兆ありですな。突如としてあやか夫人にとびかかってフリ廻した。あやか夫人の衣服がビリビリさける始末でしたな。ようやく私たちが割ってはいって、わける。すると又、わけられながら御両名がわめき合う。アッと思うと、土居先生、すでに猛然とあやか夫人を追跡しており、食堂から、庭の暗闇へ、あやか夫人を追って行った。これを又我々が追跡して、松の木の陰にあやか夫人を打擲している土居画伯をとって押えて、引き分けたですが、これで一段落と思うとさにあらず、三たび猛然、あやか夫人は一目散に、幸い自分の寝室へ逃げこんで鍵をかけることができた。