Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

「どれ、僕はひきあげて、今夜は詩でも作るかな。醜婦のために」

「待ちなさい。ちょッと散歩しましょうよ。いや? 厭じゃないでしょう」

「決して希望はしていないね」

「こっちの庭はダメ。ピカ一さんがどこかでビールをラッパのみにしている筈だから。こっちの方から、ブナの杜へでましょうよ」

と、千草さんは戸棚のヒキダシから懐中電燈をとりだして、高飛車にセムシ詩人をうながして、食堂の出入口から外へ消えた。

「イヤらしい」珠緒さんが吐きすてるように呟いた。

「なかなか可憐じゃないですか」

と、神山東洋。彼でなければ、不快な意味が目に見えているこんな時に、言葉をさしはさむ者はない。

「あれが可憐というの? 可憐とは、どういう意味のことなのよ。千草さんは美人なみに、男をあやつッてみたいのよ。セムシ詩人なら、あやつれるというツモリでしょう。あれで女王のつもりなのだから。なんてまア汚らしい。孔雀の羽をつけた烏だって、まだ、ましだわね」

女という人種は意地の悪い観察にかけては天才なのである。美しいものよりも、汚らしいものの方がはるかにハッキリ目につくものらしい。珠緒さんは先刻から相当酒をのんでいる。