Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lesen Sie 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.694 Zeichen · 32 Bildschirme
老衰して命を終えるにさえもこれほどの苦痛をうけなければならないとは。
断片。意識は確だが目をあかなくなった。母よ、母よ。私はもっと見てほしいのに。
断片。朝目をさますと ああまだ母は生きてたなあ と思う。呼び起されなかったからだ。
けさは綺麗な夢をみた。うつつの国の言葉のたどたどしさは夢の国の有様、夢みる人の心もちを十に一つもいい現わすことができないけれども、今試みに書いてみようならば、西のほうの海岸にみるような赤ちゃけた地肌のあらわな花崗岩の丘がぎざぎざに連り、うねうねと彎曲して、かなり間遠く両岸を形づくっている。そこには小松などまばらに生えてたように思う。そのあいだをよく南画などにある一面隙間なく小波のたった海が流れてゆく。見かけからは河とか瀬戸とかいうべきだろうがそれがどうしてか海だった。かと思えばあるところは潟みたいに水が溜ってもいる。そうして全体の景色がパノラマのようにどんよりおどんで霞んでいる。せいせいと柔に潤いのある眺めである。私はその丘のひとつの峯に立って無数の小さな入江をつくりながらどこまでもうねってゆく岸に沿うて見わたした。荒涼として人影もない。