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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

「同じようなものだわ」と答えたきりで「叔父さんはここで独り寂しかない?」ときいてみた。

「寂しくないこともないね、だが気楽でいいよ」と叔父はまた微笑んで私を見た。

何とはなしに私は、この叔父が、私の今まで接して来た人々のうちで一番高尚な人のように思えた。が、別にたいして話したいこともないので、ただそこらを歩いてみた。

百姓家とは違って、庭は綺麗に掃き浄められ、植木や飛び石の配置にも雅致があった。私には無論、そうしたことの味わいはわからなかったのだが、ただ、何とはなしに「いいな」と思った。そして、つい庵の周囲を一めぐりして、いつの間にか、前の慧林寺の境内を歩きまわっていた。かなり大きな寺だった。かなり広い庭だった。かなり大きな木もあった。何よりも私はその静けさに引き入れられた。

私は今や、何も考えていなかった。くしゃくしゃする何事もきかされねば、苦しい圧迫を何ものからも受けてはいなかった。初めて私が安息を得られたような気がした。

今一度望月庵に帰ってみると、叔父は台所で、何か煮物をしていた。私を見ると台所から叫んだ。

「上って新聞でも見ているがいいよ、ふみちゃん、今御馳走をつくってあげるからね」