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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

翌日、私が円光寺に行くと、千代さんは私を人のいない本堂の脇の暗い部屋につれて行って「ふみさん、これもってってね」と、その手紙を渡した。

千代さんは眼を泣きはらしていた。そして今もまた止めどない涙をながした。私は千代さんに同情した。私達はしっかりと抱き合って泣いた。

だが、その日のうちにもう千代さんは、泣いて腫れぼったくなった顔に白粉をつけて盛装して四、五人の知合いに村外れまで送られて嫁に行った。

お嫁に行った千代さんは、半月ほど経ってから叔父のもとに手紙を寄越した。叔父は無造作にその手紙の封をきって、さらさらと読んでから「ちえッ……人を馬鹿にしてやがらあ」と、しかし別に怒ったという風でもなく、寂しくなったという様子もせず、ただちょっと苦笑をその口もとに浮べながら、手紙を私の前に投げ出した。

私はもう、その文句なんかは覚えていない。が、何でもそれには、新しい家の生活を記して女中のほかに書生がいるとか、看護婦がいるとか、患者が相当にあって暮し向きが豊かであるとか、みんなが自分を奥様と呼んでくれるとかいったようなことが書いてあった。

千代さんは半月前までの煩悶をけろりと忘れて、今はその新しい生活に充分満足しきっているらしい様子であった。