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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

年も押しつまった暮の二十八、九日頃、瀬川は簿記の速成科を終えたといって帰って来た。

瀬川の家は小松屋からものの三町とは離れていないところにあった。私達は朝夕必ず顔を合わせた。でも、どんなに私がふて腐れているとはいっても昼間はやはりお針に行ったり、家の手伝いもしなければならなかったので、瀬川は大ッぴらには遊びに来られなかった。で、夜になるといつも、小松屋の店の硝子戸の外に来て口笛を吹いたり、暗闇の中に煙草の火をちらつかせたりして私に合図をした。すると私は、何とか口実をつけては家を出た。時には家のものに断って出ることもあるが、大抵の時はそっと裏口から脱けて出た。

冬の夜の寒さは呼吸をも氷らすばかりであった。けれど若い血潮に燃えている私達にはそんなことは何でもなかった。一つのマントに二人でくるまって、闇の村道を歩いたり、近くの寺の境内をぶらついたりした。時には、がらんとした広い暗い本堂の中に這入って、キッスをしたり抱擁したりした。

こうして私は、約半月もの間、ほとんど毎晩のように、家をぬけ出しては、二時までも三時までも瀬川と一緒にそこいらをうろつきまわったのであった。