Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
ぴんと立っていると足は痛くなる体は疲れてぐにゃぐにゃになるといった有様なので、私はよく、後ろの電信柱に凭りかかって体を休めた。そしてついそのまま居眠りをしたり、ことによるとがっくりと睡りころげかかっては吃驚して眼を覚ましたりなんかした。
急に雨の降り出した日などはもっと辛かった。客は大抵乗りものに乗って帰っては行く、人の出足は鈍る、途を歩く人も新聞など買っている余裕はない。だからそうした時にはただに新聞が売れないばかりでなく、よく下駄の鼻緒なんか切らして困っている人を見受けさせられるので例の気性で私はつい気の毒になって、手拭を引き裂いて鼻緒をすげてやったりなんかしなければならなかった。
だが、人間というものは面白いもので、私がそうするのは別に何らの成心があってのわけではないのだが――そうせずにはいられないからするのではあるが――相手は馬鹿にそれを徳として無理に籠の中に紙幣なんかを投げ込んで行くのであった。恐らくそれは、ただの感謝の念からのみでなく、若い女の苦学生に対する同情の発露からでもあったであろう。それはこうした特殊な場合でなくても、二銭や三銭の釣銭は取らない人の多かったことによっても知られると思う。