Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
ていた。それからずっと、丁字形の縦の線に沿うては、万年筆屋だの植木屋だの、玩具屋だのといったいろいろの商売人が店をひろげていた。
私はまず向いの古着屋さんと隣の古本屋さんとに仲間入りの挨拶をした。古着屋さんは見るからにずるそうな男であったが、古本屋さんは人の好さそうな爺さんであった。
「お前さんがかね、へえ、何売るんだね!」
と、お爺さんは、口もとに微笑を浮べながら怪訝そうに私を眺めた。
「粉石鹸をもって来ました」
「ほおう、しゃぼんやさんだね、まあしっかりやりなされ」
こう言ってお爺さんは、珍らしそうに私が店をひろげるのを見ていたが、不案内な私の所作がもどかしいといった風に、私の側に寄って来て、かれこれと並べ方を教えたり、商売についての注意を与えてくれたりなどした。
夜店で暮している人達である。だから、無論楽な人達ではあるまい。けれどとにかくそうした人たちの店はそれ相当の構えをしていた。ところが、私の店と来たらどうだろう。
私の店には第一、品物を並べる台がなかった。地べたに新聞紙を四、五枚敷いたその上に商品が載せられているのであった。しかも、商品といったところで、例の粉石鹸の袋が三十足らずあるっきりで、その間に小さな暗いランプが申し訳けのように点されているのだった。