Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
それに河田さんのこの提案はまたと得られない機会だとさえ私は思った。で、少し図々しいとは思ったけれど、万事河田さんにお頼みすることにした。
翌々日河田さんから二十五円の為替が来た。河田さんの親切に感謝しながら、私はそれを郵便局から受け取って来た。そして、せっかくだがお暇をいただきたいと大奥さんに願い出た。ところが、手に腫物が出来て切開したばかりの大奥さんは、繃帯でぐるぐる捲きにした手を眺めながら困った顔をして、むしろ頼むように私に言った。
「ねえ、おふみさん。今あなたに出られてはうちはどうにもならなくなるんだよ。何しろ、嫁はあの通り体が弱い上に身重だし、肝腎のきよ(女中の名)はぐずで間に合わないし、おまけに私の手はこんなのだからねえ……」
そう言われると私も困ったが、同時にまた、河田さんにすまないと思った。
「ええ、それは私も存じていますのですけれど……私にはまたとこんないい工合の仕事が見つかりそうもありませんので……」
大奥さんはしかしどうしても私を放そうとはしなかった。「せめて私の手が癒るまで、助けると思っていて下さいよ」とまで私に言った。
それをすらも振り放して出るということは私にはできなかった。