Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
「そうでしたか?」と客は答えた。
が、それっきり、いたともいなかったとも言わなかった。そして静かに立ち上った。
「まあ好いじゃありませんか」と私は慌てて止めた。「お話しなさいな。私、別に用がないんですから……」
しかし客はやはり何とも答えないで、どっしりと畳の上に立ったまま、濃い眉毛の下から黒いセルロイド縁の眼鏡越しに、冷やかに私を見下した。
何とはなしに私は、ある威圧を感じた。
と、しばらくしてから「失礼します」とはっきりとした声で言って、部屋を出て行った。
「ああ君、今晩はどこに泊りますか、僕のところへ泊って行っていいですよ」と鄭は思い出したように急いで立ち上って、廊下に客を追いながら叫んだ。
「ありがとう、今晩は駒込の友人のところへ泊めてもらいます」と、落ちついた寂しい声が答えた。
何となく私はすまないような気がした。私の精神はひきしめられていた。
「鄭さん、あの人、何て言うの?」
「ああ、あの人? あれはいつかあなたが大変感心した詩の作者朴烈君ですよ」
「あらッ! あの人が朴烈?」と私は思わず顔をあかめて叫んだ。
「そうです、あの男です」と鄭は落ち着いた調子で答えた。