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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

が、私はどうしても帰ると言い張った。

母もとうとう断念したらしく、鏡台を縁側に持ち出して私の髪を結ってくれたり、箪笥の一ばん上の抽斗から赤い支那緞子の片でつくった巾着と細紐とを私にくれたりした。

それを私に渡しながら母は、

「この間見たら箪笥の底にこんな片があったからね、お前にやろうと思って、内緒で拵えておいたんだよ」と言った。

それから店へ行っては、鑵詰を三つと、白砂糖を一袋と赤いレザーの緒のついた麻裏を一足、すばやく風呂敷にくるんで、袂の影に蔽すようにして私をつれて家を出た。そして街はずれの竹藪の側の水車の前まで来ると、その風呂敷包をしっかりと私に背負わせ、近所の菓子屋から駄菓子を買って私にくれた。

「途々喰べながらお出で、遠いから路を間違っちゃいかんよ、そのうちわしもまた隙をみてあがるからって家に帰ったら言っておくれ」

母は今にも泣き出しそうにしていた。私も何だか泣きたいような気持ちで、ただ黙って頷いた。そうだ、私はたしかに泣きたかった。けれど、何者かが私の涙をせき止めた。

何と悲しい性格に私はその時分からなっていたことだろう。

家に帰った私はまた学校に通い始めた。