Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

岩下家

岩下家

私の叔母の家――岩下家――は、ざっとこうした空気の中に包まれた最も有力な家族の一つだった。そう広くはないが、五、六ヶ所の山林と、鮮人に小作させている田と畑とを持っていて、それからあがる収入で、鮮人相手に高利貸をしているのであった。

家は線路の北側の高地にあった。

南側の人たちは自分らのところを本町といい、北側を田舎とよんでいたが、北側の者らは南側を下町とよび、自分達の方を「山の手」といって、互いにその自負心を満足させていた。

叔母の家はこの「山の手」でも一番高い部分にあった。四畳半ぐらいのオンドル附きの部屋が四ッきりの、二間ずつ鍵形に列なった低い藁葺の家で、建物は至極みすぼらしかったが、屋敷内はかなり広かった。家の裏手には納屋が二棟と、庭先の畑を越えては米倉が一棟、庭には果樹や野菜がつくられていた。

叔父は長野県生れで、無口な温厚な男だった。以前は鉄道の保線主任であったとかだが、汽車が脱線顛覆して死傷者までも出したので責を引いて辞職し、それ以来、この田舎にひっ込んで楽に暮しているのであった。趣味は草花弄りと謡曲を唸るくらいで、至極平凡な男であった。