Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
寧ろそうした淡い交わりで結婚を申込んだ私の非常識と、境遇の圧力とを恥じ、それにもかかわらず、受け容れてくれた非打算的な、時子の愛を感謝する。後で彼女の姉さんから聞いて解ったのだが、彼女は毎日泣いて、食事をとらなかったそうだ。私に手紙の来ないのを私は怒っていたが。
しかしこの事のために私の運命は変った。
父は私をあわれむのあまり、私の遊学を許した。但し一高はいけない。早稲田の専門部に三年間だけ遊学して来るがいいというわけだ。
私はもう決意していた。断じて一高を受ける。そして入学してしまえば、どちらにしろ三年間だ。それから先きは又どうにかなる。私はもうどんな事があっても商業は継がないと。
思えば戦慄する程の運命の危機であったのだ。
私が遊学の志を捨てて、結婚しようとしてると聞いた時、私の親友は驚いて叱咤の手紙をよこした。一婦人のために空しく壮図をあきらめるとは何事か。いさぎよく彼女を捨てよと。
しかし私には友の心は解りつつも、痛くひびかなかった。
今にして考えるに、私は確かに常規で測られぬ詩人的素質なのらしい。よく二十歳の時、純直にお嫁が欲しいと叔母に打ち明けられたと思うのだ。