Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
その間がこんなに長く感じられ、色々な思い出にみち、人や、自然や、物が活々と印象しているのはどういう訳だろう。最近の六、七年のことを思えば、私はあわただしくてろくに生きたような気もしない。身に沁みる感じがまことに薄い。人とのふれ合い、自然との交感、生活の量から言えば比較にならないのに、しかも非常につまらない生活、乾いた、うわの空の生活を送って来たように思うのはどうした訳だろう。
どうも生活というものは量よりも心だ。心に沁みて生きるのでなくてはすべては空しい。人との接触も甲斐がない。短い人生がますます駈足になって、あわただしく、はかない。
私は幼年時代をも一度つくりたいとこのごろ思っている。子供のような心にもう一度なれないことはない。それは人生の晩年にもう一度恢復出来るものだ。女から女を漁り、功名と富とを追う嫌悪すべき壮年期の狩猟心が去ると、名花を追うて一本の菫のそばを目もくれずに駈足する心、好意を以て寄ってくる隣人をうるさがって、知名の人との交友に急ぐ馳求の慾などが俗念であることが感じられて来る。それはその刻、その対象の全一なる意と味とを取り逃がすことになる。