Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

私たちの学校は三次の町から二十丁も離れていた。夏になると麻が小暗く道路の両側に茂り、私たちの丈よりも高くなった。竹藪があり、麦畑があり、長い橋があり、冬には雪がその道を蔽うのであった。私たちはゲートルを穿いて、雪道を踏んで通学した。

その頃三次の中学には美少年騒ぎが非常に盛んであった。但し硬派の系統のものであった。何しろ中学が地方の最高学府なので、上級生たちは筒袖がきまりなのに長い袂の着物を着て、煙草を吹かし、大人らしく振舞うのが粋とされていた。美少年のことを、チャームと言っていた。自分のチャームを持って連れて歩くのが幅利きであった。

入学試験の時に上級生たちはもうその写真を品定めして目星をつけるのだった。

私は美少年として選ばれた。初々しいのと、学業が出来るのと、服装に姉たちの好みが出ているのが目を惹いたのであろう。上級生たちが私のために騒いだ。

名の知れぬ絵葉書や、レターなどがよく舞い込んだ。が私は勉強一式であった。野球というものを初めて見た。テニスは前から知っていたが、私はスポーツもやらなかった。学業と教室が生命だと思っていた。宗藤の筋向かいに野平正男という四年生の撃剣の選手で、又全校一の文章家の少年が下宿していた。