Japanische Klassiker mit Furigana
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ちからもち
力餅
島崎 藤村
Lesen Sie 力餅 (ちからもち) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 65.974 Zeichen · 130 Bildschirme
「どうだ、いい遠足だろう。お前たちの好きな青い草もあるよ。広い野原もあるよ。」
と羊飼いは言いまして、にこにこした顔をしながら、羊の群れを連れて行きました。このおとうさんの行くほうへは、羊なかまはどこへでもついて行きました。畑があれば畑の間を通りました。谷があれば谷の間を越して行きました。
羊飼いは羊を喜ばせたいばかりに、さんざんいっしょに歩き回りました。そして、すこしくたぶれてきましたから、いいかげんに帰ろうとしますと、なかなか羊なかまが承知しません。
「おとうさん、もっと遠く、もっと遠く。」
羊がさいそくしました。めずらしい遠足で、羊は遠く遠く行きたがりました。行けば行くほど羊の好きなやわらかい草がありました。それを食い食い進んで行った時は、まるで遠足のおべんとうが行く先に羊を待っているようでした。
「おお、あそこにもおべんとう、ここにもおべんとう。」
と羊なかまは青々とした草のはえているところを見つけて、時のたつのを忘れていたのです。
そのうちに、日が暮れかかってきました。あんまり遠く来すぎてしまって羊飼いには方角もよくわかりません。せっかく楽しい遠足に出かけて来たものの、このおとうさんは来た道を忘れてしまいました。