Japanische Klassiker mit Furigana
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ちからもち
力餅
島崎 藤村
Lesen Sie 力餅 (ちからもち) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 65.974 Zeichen · 130 Bildschirme
六 古い茶わん
がっていました。
六 古い茶わん
姉の家には、昔から伝わる漢籍、兵書、歌書、その他の書物もすくなくはありませんでした。裏庭にある土蔵の二階は本箱でいっぱいでした。高瀬の兄はわたしにむかって、それらの蔵書を勝手に探れと言ってくれ、姉はまた姉で、古い絵、古い手紙、香の道具、うるしぬりの器、陶器のたぐいなぞを取り出してきて見せてくれました。その中に、高瀬の兄の先代が愛用したという古い茶わんが出てきました。
そのおかたみはシナからでも渡って来た陶器らしく、厚手の焼きで、青みがかった色つやまでがいやみのないものでした。あまりよくできているものですから、わたしがほめましたら、姉はていねいに茶わんをふき、それをわたしの前において、ほしくばくれてもいいと言うのです。わたしもまだそんな古い茶わんをもらい受けてながめ楽しむ年でもありませんでしたから、せっかく姉がそう言ってくれても、それをもらって帰る気にはなりません。それに、その茶わんは茶器でもなくて古い食器です。いかによくできた陶器でも、むかしの人が飯を盛った茶わんで食う気にはなれない、やはり自分は自分の茶わんで食いたいと思いました。