Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちからもち

力餅

島崎 藤村

Lesen Sie 力餅 (ちからもち) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 65.974 Zeichen · 130 Bildschirme

Aozora Bunko

第二章 母を思う

一 母を思う

この小僧さんも十歳ばかりの年ごろに、一生忘れられないような力餅を味わったおかげで、りっぱな人になったと言いますよ。よくよく和尚さんのむちはこの小僧さんの身にこたえたのでしょう。そして、和尚さんからもらった力でも、長い生涯の間には、それを自分のものに変えることもできたのでしょう。力はふしぎなものですね。

第二章 母を思う

一 母を思う

少年の日に両親のひざもとを離れて、東京に出てから九年ばかりの間、わたしは一度も郷里に帰りませんでした。

父が郷里のほうでなくなったのは、わたしの十五歳の時でしたが、その時ですら東京にとどまりました。今になって思えば、他人のなかに出て修業することも身を立てるためであったとは言いながら、母がわたしのような小さなものをよく手ばなしたと思います。

わたしも物心づく年ごろには、吉村さんの家のお世話になっていまして、何一つ不自由しなかったのも、まったく吉村のおじさんたちのおかげでしたが、一書生の身としては自分で自分のかじをとりながら進路をさだめるよりほかはなかったのでした。それおもかじだ、今度は取りかじだと、自分で自分に言ってみるようなものでした。