Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
きげんのいいときゃ、やけに朗らかにしゃべるくせに、むっつりしだしたとなると、べっぴんがしなだれかかっても、からきし感じねえんだからな。ね! ちょっと! ちょっと! どこへ行くんですかよ。ひとりの野郎が乗り捨てたんだか、七人の野郎が乗り捨てたんだか知らねえが、すごろくにしたってもふり出しから始めなきゃ上がりにならねえんだ。ことに、だいいち――」
「うるさいよ」
「いいえ、うるさかねえんですよ! だんなは何を気どって、お黙りなすっていらっしゃるか知らねえが、あっしにゃだいいち、駕籠かきどもの行くえが気になってならねえんだ。ひょっとすると、ばっさりやって乗り逃げしたかもしれねえんだからね。それに、どこからあの駕籠が迷ってきたか、出どころの見当をつけるにしても日本橋へ行くのが事の先なんですよ。――ね! ちょっと!」
「…………」
「ちょっとてたら! だんな! 聞こえねえんですかい!」
「うるせえな。からめ手詮議は右門流十八番の自慢の手なんだ。はしごを上っていくんじゃあるめえし、一丁一丁ごていねいに調べなくとも、どうせしまいは土橋へ来ておちつくんだ、おちつくものなら、最終の一つをこのおいらのできのいい目玉でぴかぴかとのぞいてみりゃ、七駕籠ひとにらみにたちまちすっと溜飲の下がるような眼がつくよ。