Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

女の声で呼んだことまでも知っているなら、どこのどやつかおおよそ見当がつくだろう。さっきはうまいことこちらのかわいいあにいに一杯食わせたようだが、今度の相手はちっと役者がお違いあそばすんだ。どこのだれが七つ橙を頼んだか、隠さずに名をいいな。親分殺しの下手人は、その頼み手にちげえねえんだ。早く白状すりゃ、それだけ早くかたきがとれるぜ」

「ところが、あいすみませぬ。あっしはもとより、子分の者はだれひとり肝心のその頼み手を知らねえんですよ。また、うちの親分という人は、日ごろがそういう偏屈屋なんです。何をするにしても、どこからけんかを頼み込まれても、自分ひとりだけが心得ておって、あっしら子分にはつめのあかほども物を明かさねえ人なんだからね、隠そうにも、打ち明けようにも、だいたい見当がつかねえんですよ。だからこそ、さっきもいっそ駕籠かきどもを締めあげたほうが早くわかるだろうと、そちらのだんなにも思ったとおり申しあげたんですよ」

「そのことば、うそじゃあるめえな」

「いまさらうそなんぞいってなりますものか! あの橙の頼み手を知っているものは、この広い世の中でうちの親分がたったひとりなんだ。