Japanische Klassiker mit Furigana
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しおばらたすけいちだいき
塩原多助一代記
三遊亭 円朝
Lesen Sie 塩原多助一代記 (しおばらたすけいちだいき) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.733 Zeichen · 274 Bildschirme
傳「モシ/\腰にある毛の生えた巾着はなんだえ」
案「これは狐の皮で拵えたんでがんす」
傳「こう、どうだえ、狼は出やしますまいねえ」
案「狼は出ねえが、蟒や猪が出まさア、なアに出ても飛道具ウ持っているから大丈夫でござりやす、あんた方の荷物をお出しなせえ」
と二人の荷物を連尺のような物で脊負い、其の上に鉈を付けて出かけて往く。
主「左様なら御機嫌宜しく、磯之丞気をつけて上げろ」
傳、宇「左様なら、御機嫌宜しく」
と暇乞いをして西の方へ出かけましたが、花野原を二三町往きますと、ちょろ/\流れがあって、別に路とてはなく、沢を渡って歩く、と七八町まいりますと、これから山手へかゝるに従い、熊笹が生えていて、歩くたびにゴソ/\として、朝露に袖を濡らしまして、段々と登るほどに熊笹は丈を越し向うが見えず、
傳「おい/\案内さん、少し待ってくんな、狼が出ても蟒が出ても分らねえじゃねえかえ」
案「狼が出ても大丈夫でがんす」
宇「こんな所はどの位あるえ」
案「まだ廿町ばかりありやす」
傳「どうも驚いた、熊笹も鮓屋にあると随分粋なもんだが、此様なにあっちゃア不意気なもんだのう」
と話をしながら漸く登りますると、是れから金精峠と申して実に難所で、樹木は榧松と羅漢柏の大樹ばかりで、かれこれ一里半ばかり登りますと、西の方は日光の男体山、此方は白根山