Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
実は平さん自身が飛び出さない方がよかったのだけれども、この男は正直者でもあり、慌て者でもあったから、店の者から何か言われると、慌ててここへ飛び出して来たものです。
そうして槍持奴の前へ土下座をきって申しわけをすると、槍持奴は雷の割れるような声で、
「このかんぶくろはてめえのか」
平吉は縮み上って、
「はいはい、手前のでございます」
「てめえのなら持って行け」
「はいはい」
「早く持って行け、何でえ、何で手なんぞを出しやがるんだい、この槍へ上って自分の手で取って行きやがれ」
持って行けと言いながら、槍はそこへ突き立てたままです。
この時に、前の五六騎づれの侍たちについていた仲間たちが、ほとんど残らず取って返して、ズラリと平吉を取巻きました。
人に揉まれて来た米友が、聞くともなしに聞いていると、事件の要領はこうです。
百両の富に当った品川宿の平吉という建具屋が、嬉しまぎれに身近の人を招んで、角の店の二階で飲んだ揚句、連れの一人が、平さん大金持になった上は、こんな安っぽい煙草入はよしてしまいねえと言って、冗談にポンと往来へ抛り出す真似をしたのが、どうしたハズミか本気に手が辷って、二階から往来へ飛び出してしまいました。