Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

それで一方の見物がまた、はっと飛び散ったけれども米友は、素早く身を返して元のところに突立って槍を中取りに持ち、前へ突き出しかたと思うと、柄を返してはったと物を打つような形をしました。左から打ち込み、右から打ち込み、さながら棒と槍とを併せて使うように、九尺の十文字を両様に使いました。

それが終ると、十文字の長剣だけは遊ばせて、横手の鎌だけをヒラリヒラリと胡蝶のように舞わしています。十文字を逆手に持って、上から突き伏せる形をしてみるのかと思えば、躍り上って空飛ぶ鳥を打って落すように変化しました。穂先を三様に使い分け、槍の柄を二様に使い分けるのみならず、石突を返して無二無三に突いて引くかと見れば、飛び違いざまに敵の小手へ引鎌をかけて滝落しの形がきまります。

こうして宇治山田の米友は、たった一人で無茶苦茶に十文字の九尺柄をおもちゃにしています。おもちゃにしているわけではないが、見物の者にはそうとしか見えないのであります。しかし、そのおもちゃの扱いぶりの熟練と軽妙とを極めた捌きは、無心で見ている見物をも酔わせるほどの働きでありました。

自棄にしても気狂いにしても、これは面白い観物だと思わないわけにはゆきません。