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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

神尾主膳もその後、お銀様に対してはうっかり冗談もいえないと言ったのは、たしかにその用心があるらしいからです。

女だてらに脇差を抜いて、一方に槍を防ぎながらお銀様は、ようやく梅の木を離れて樫の木の後ろへ避けることができました。覚束ないうちに本性がいよいよ冴えて、神尾主膳は透かさずそれを追いかけました。

樫の木を移ってお銀様が、石燈籠の蔭へ避けた時に、神尾主膳はさながら絵に見る悪鬼の形相です。いかなるところへ逃げ隠れようとも、この怨敵を突き伏せずしては置かずという意気込みで、燈籠の屋根の上や、台石の横から無二無三に突き立てました。

形ばかりに脇差を構えたお銀様は、それを振閃かしては槍の穂先を逃れようとする。槍はしばしば流れ、手元はしばしば狂うけれども、その狂暴はいよいよ衰うることあるべしとも覚えません。ついに石燈籠もろともに、お銀様を縫いつけるのかと思われるばかりです。

お銀様は石燈籠の蔭から追いつめられたのが池の端です。池の汀を伝って逃げると巌石がある。後ろへすされば一歩にして水です。進退谷まったお銀様は、ついに脇差を振り上げて、勢い込んで追いかけて来た神尾主膳の面をのぞんで、その脇差を投げつけました。