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Japanische Klassiker mit Furigana

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きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lesen Sie 季節のない街 (きせつのないまち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.379 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

そのすぐあとのことだが、近所のかみさんの一人が驚くべき事実を発見し、この街の住人たちに大きなショックを与えた。――というのは、そのかみさんが小為替を金に替えるため、中通りの郵便局へいったところ、塩山家で貯金をしていることがわかったのだ。

「あの髭を立てた人、郵便局の主人公だろ?」とそのかみさんはいった、「あの人がさ、事務をとってるはるちゃんを呼んでさ、利息の書き入れが済んだから、帰りに持ってゆきなさいって、貯金通帳を三冊はるちゃんに渡したじゃないの、いいえさ、あたしもよもやと思ったんだよ、ところがあんた髭の主人公がよ、きみのがだんだん減るねっていうだろ、するってえとはるちゃんが、あたし学費がいりますからってはっきりいったんだよ」

「まあどうだろ」とそのかみさんはゆうれいでも見たような顔つきをした、「あたしゃまあ肝がつぶれて、うちへ帰るのにどこをどう通って来たかもわからないくらいだったよ」

「このご時世に貯金とは」と他のかみさんがいった、「世の中にはとんだ罰当りなことをする人がいるもんだね」

このとき、おるいさんはにんきを失い、塩山一家はなにか悪い病気持ちかなんぞのように、近所づきあいからそれとなくはずされたようであった。