Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
には置かれぬ腫物、切ってしまって安心とこの二三日近ごろになき好機嫌のそれに引きかえて、若夫婦方なる僕婢は気の毒とも笑止ともいわん方なく、今にもあれ旦那がお帰りなさらば、いかに孝行の方とて、なかなか一通りでは済むまじとはらはら思っていたりしその武男は今帰り来たれるなり。加藤子爵夫人が急を報ぜしその書は途中に往き違いて、もとより母はそれと言い送らねば、知る由もなき武男は横須賀に着きて暇を得るやいな急ぎ帰り来たれるなり。
今奥より出で来たりし仲働きは、茶を入れおりし小間使いを手招き、
「ねエ松ちゃん。旦那さまはちっともご存じないようじゃないか。奥様にお土産なんぞ持っていらッしたよ」
「ほんとにしどいね。どこの世界に、旦那の留守に奥様を離縁しちまう母さんがあるものかね。旦那様の身になっちゃア、腹も立つはずだわ。鬼婆め」
「あれくらいいやな婆っちゃありゃしない。けちけちの、わからずやの、人をしかり飛ばすがおやくめだからね、なんにもご存じなしのくせにさ。そのはずだよ、ねエ、昔は薩摩でお芋を掘ってたンだもの。わたしゃもうこんな家にいるのが、しみじみいやになッちゃった」