Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
病気はよくなったのですが、もう私には世の中がすっかり空虚になったようで、ただ生きておるというばかりでした。そうするうちに、知己の勧めでとにかく家をたたんでしばらくその宅にまいることになりましてね。病後ながらぶらぶら道具や何か取り細めていますと、いつでしたか箪笥を明けますとね、亡くなりました悴の袷の下から書が出てまいりましてね、ふと見ますと先年外国公使の夫人がくれましたその聖書でございますよ。読むでもなくつい見ていますと、ちょいとした文句が、こう妙に胸に響くような心地がしましてね――それはこの書にも符号をつけて置きましたが――それから知己の宅に越しましても、時々読んでいました。読んでいますうちに、山道に迷った者がどこかに鶏の声を聞くような、まっくらな晩にかすかな光がどこからかさすように思いましてね。もうその書をくれた公使の夫人は帰国して、いなかったのですが、だれかに話を聞いて見たいと思っていますうちに、知己の世話でそのころできました女の学校の舎監になって見ますと、それが耶蘇教主義の学校でして、その教師のなかにまだ若い御夫婦の方でしたが、それは熱心な方がありましてね、この御夫婦が私のまあ先達になってくだすったのですよ。