Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
「死んでもだれ一人泣いてくれる者もないくらいでは、生きがいのないものだね、千鶴さん」
「でも川島のおばあさんが泣きましょうよ。――川島てば、お母さま、お豊さんがとうと逃げ出したんですッて」
「そうかい?」
「昨日ね、また何か始めてね、もうもうこんな家にはいないッて、泣き泣き帰っちまいましたんですッて。ほほほほほほようすが見たかったわ」
「だれが行ってもあの家では納まるまいよ、ねエ千鶴さん」
母子相見て言葉途絶えぬ。
*
千々岩は死せるなり。千鶴子母子が右の問答をなしつるより二十日ばかり立ちて、一片の遺骨と一通の書と寂しき川島家に届きたり。骨は千々岩の骨、書は武男の書なりき。その数節を摘みてん。
※(始め二重括弧、1-2-54)前文略※(終わり二重括弧、1-2-55)
旅順陥落の翌々日、船渠船舶等艦隊の手に引き取ることと相成り、将校以下数名上陸いたし、私儀も上陸仕り候。激戦後の事とて、惨状は筆紙に尽くし難く※(始め二重括弧、1-2-54)中略※(終わり二重括弧、1-2-55)仮設野戦病院の前を過ぎ候ところ、ふと担架にて人を運び居候を見受け申し候。